結果を市販車に役立てる
このほか、今回のパイクスピークには、三菱自動車が市販のEV「i-MiEV(アイ・ミーブ)」のプロトタイプで参戦すると発表した。ラリーレイドドライバーの増岡浩選手をドライバーに起用する。三菱自動車は「今回出場するプロトタイプはアイ・ミーブで使われているEVのコンポーネントを使用する予定だ。このレースで得られた結果は、今後市販する予定の電動車両(EVやプラグインハイブリッドカー)の耐久性や信頼性に役立てたい」としている。
一方、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの公式ホームページによると、トヨタ自動車の子会社でドイツに本社を置く「トヨタモータースポーツ有限会社」(TMG)も専用開発のEV(TMG EV P001)で参戦するという。TMGが開発したP001は、EVとしてドイツの高速サーキット「ニュルブルクリンク ノルドシュライフェ」で昨年8月、7分47秒の好記録を達成したモデル。パイクスピークでは日本を代表するラリードライバー、奴田原文雄選手がドライブするという。
標高4300メートルまで標高差1500メートルを一気に駆け上がるパイクスピークは、スタート地点とゴール地点で気圧、気温、天候などの条件が大きく変化する。空気の薄い高地でガソリンエンジンはパワーダウンが問題となるが、この点、モーター駆動のEVは気圧などに影響されにくく、モーター特有の高トルクを生かし、ガソリンエンジンを凌駕する可能性がある。世界的に人気のヒルクライムレースで、日本人ドライバーがドライブするEVの活躍が期待される。