最高裁判決が「引き金」なのか?
どうやら、互助会破たんの遠因は最高裁判決にあるようだ。大阪市中央区の社団法人大阪府市町村職員互助会は、2010年11月に大阪地方裁判所へ自己破産を申請し、破たんした。
秋田県市町村職員互助会と同様に、職員に対して見舞金や祝い金、退職金などを給付する福利厚生事業を行っていたが、市町村から得た補助金を使っていたことが、高額な「ヤミ退職給付金」と揶揄されて評判が悪化。茨木市で起こった住民訴訟に敗訴したことで60億円規模の補助金の返還をしたものの、全額返還は困難と判断し、自己破産を選んだ。
このときの負債総額は約15億3000万円。会員の掛け金も戻っていない。
地方自治体も「財政難」で削れる補助金は削れるだけ削りたい。最高裁判決を理由に、多くの職員互助会で公費支援が廃止に追い込まれていて、「規模はともかく、互助会の破たんは1年で数件ずつ、まだあるでしょう」(帝国データバンク)とみている。