猫ひろしはなぜか特別扱い 五輪落選「カンボジアの英雄」が激怒

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カンボジア国内で猫さんの五輪は話題にならず

   当局との関係が悪化する中で現れたのが猫さんだった、とブンティン選手は言う。記事では、猫さんの「マラソン・カンボジア代表」実現にひとりの日本人実業家が尽力していたと指摘している。

   この人物はブンティン選手にも接触して支援を申し出たうえ、NOCCの主催で2011年に猫さんも出場した「プノンペン国際ハーフマラソン」の前夜祭に協賛金3000ドル(約24万3000円)を拠出、2012年の大会には2万ドル(約162万円)を負担するとした。裏で大金が動いたおかげで、貧しいうえに国との間でギクシャクしている自分が代表落ちした――。真相はやぶの中だが、ブンティン選手はこう疑っているようだ。

   現在、カンボジア国内では猫さんの五輪出場はほとんど話題になっていない。首都プノンペン在住の人物によると、新聞にも猫さんに関連する記事は見かけないうえ、周囲の人も知らなかったという。現地英字紙「プノンペンポスト」電子版は3月30日、ブンティン選手と女性選手の2人が83日間にのぼるケニアでの高地トレーニングを終えて、4月15日に行われるパリマラソン出場のためフランスに移動したニュースを伝えた。しかしこの中に、猫さんに関する詳細は見当たらなかった。

   もっとも、パリマラソンでブンティン選手が、五輪出場資格のB標準記録である2時間18分をクリアすれば代表入りの芽が出てくる。カンボジアではマラソンで標準記録に達した選手がおらず、猫さんはあくまで「特別枠」で認められたひとつの椅子を勝ち取ったに過ぎないからだ。それでもブンティン選手は、たとえ出場権が与えられたとしても猫さんが辞退しない限り「自分は出ない」とインタビューで言い切っていた。それほど怒っているのだろう。

   厳しい批判を浴びせられた猫さんだが、ツイッターで連日練習に励んでいる様子を更新している。ただ、「カンボジア代表」であるはずが、ここ最近はずっと日本を拠点にトレーニングを積んでいる。

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