テレビCMでもおなじみのネット上の仮想空間「アメーバピグ」が、思わぬ方向で「交流の場」として利用されていることが明らかになり、波紋が広がっている。
仮想空間で「ピグ」と呼ばれる自分の分身(アバター)を操って楽しむサービスなのだが、別のピグとお互いに下着姿になった上で性的な言葉をぶつけ合う「バーチャル乱交」とも呼べる状態が横行している。
「PH」「ph」といった隠語も使われる
アメーバピグは2009年1月にサービスが始まり、運営会社のサイバーエージェントの発表によると、11年1月14日時点で利用者数は600万人を突破している。仮想空間では、専用の通貨を使って自分のピグに服を着せたりできる。他のピグと会話することもできるのだが、この「会話」の内容が異様なのだ。
自分の部屋に他のピグを呼び寄せることもできるが、ベッドの上で複数のピグが下着だけになり、身を寄せ合いながら
「んんぁ」「くちゅくちゅ」
といった性行為を連想させる言葉を掛け合うのだ。これは、アメーバピグ内では「ピグH」と呼ばれており、いわば、「テレホンセックス」の現代版のようなものだ。
なお、アメーバピグ内で「ピグH」と入力すると、「不適切な表現が含まれているため、送れません」と表示され、いわゆる「NGワード」に指定されていることが分かる。だが、「PH」「ph」といった隠語を使って、規制の網をくぐり抜けている利用者も少なくない。
「必要なものはズバリ、妄想力」
ニコニコ動画を「ピグH」という単語で検索すると、現場を実況している動画が多数ヒットする。動画の女性のピグは「14歳」などと名乗っているが、実際に操作しているのは30代の男性だというケースも多い。「年齢・性別詐称」が多発している様子だ。
非公式の指南サイトも立ち上がっている。「体験談」と称して、「現場写真」が多数アップロードされているほか、
「必要なものはズバリ、妄想力」
「ピグエッチに必要なものは『言葉』です。相手を興奮させる言葉をできるだけ多く覚え、絶妙のタイミングで使うかによって充実度が変わっていきます」
なとど「ピグH」の意義を説いている。
なお、アメーバピグは18歳以上を対象にしたサービスで、利用規約によれば、18歳未満の人が利用する場合は、親権者の承諾を得た上で、親権者と一緒に利用することになっている。さらに、15歳未満の利用者については4月26日から規制が強化され、他のピグと会話することは事実上できなくなる。