全日空(ANA)は2012年4月11日、国内線向けの機内サービスを6月1日から一新すると発表した。1機あたり4億円かけて新型座席を順次導入するほか、機内食のメニューも新しくする。伊東信一郎社長は
「フルサービスキャリアとして、これまで以上に満足いただけけるサービスに磨き上げたい」
と、格安航空会社(LCC)の台頭を念頭に、「豪華さ」で差別化を図りたい考えを協調した。ANAが国内線サービスを一新するのは、上級クラスの「プレミアムクラス」は4年ぶりで、普通席では6年半ぶり。
ミシュラン三つ星店がメニューを監修
プレミアムクラスでは、機内食の名前を、朝食、昼食、夕食の時間帯については「プレミアム御膳」(Premium GOZEN)、それ以外の中間時間帯を「プレミアム茶房」(Premium SABO)と改める。「プレミアム御膳」は、ミシュランガイドで5年連続の三つ星を獲得した「銀座 小十」と3年連続で二つ星を獲得した「祇園 さヽ木」が監修。「プレミアム茶房」については、マンダリンオリエンタル東京が監修する。羽田、伊丹、札幌、福岡を出発する便が対象だ。これまでは多頻度利用者のみが利用できたラウンジも、改修してプレミアムクラス利用者に開放していく。
新座席も順次導入。プレミアムクラスでは本革を採用し、リクライニングの角度も118度から130度に拡大した。テーブル面積は30%広がった上、USBの充電ポートとPC電源を備えるなど、作業スペースとしての利便性も向上した。
普通席では、従来はスターバックスのコーヒーを有料で提供してきたが、6月からはアートコーヒーと共同開発したドリップコーヒーを無料で提供する。有料メニュー「ANAマイチョイス」も継続する。座席は背もたれが薄くなった分、前の座席との間隔が広がった。