薄煕来氏関係のつぶやきを巡って、中国最大の新浪微博(ミニブログ)が大失態を演じてしまった。2012年4月10日23時過ぎ、中央テレビのニュース番組で同氏の解任報道が行われると同時に、新華社サイトにも同様の記事が掲載された。にもかかわらず、事情の分からない新浪ネットはその後の数分間、ミニブログでのつぶやきなどを一生懸命に削除した。
規律検査委員会が責任を追及するという記事を消す
「フォロワーさん、先ほど、中国網事がつぶやいた中国共産党規律検査委員会が調査に乗るという内容が見れましたか」
新華社中国網事という新華社のミニブログは、23:11に再度発信した。
その前に、薄氏の規律違反がひどく、規律検査委員会が責任を追及するという23:07からの新華社ニュースは、そのまま新浪微博にも発信された。が、すぐ消えた。書き方を変え、薄熙来氏という人名を削除した上で、なんとかできたようだ。
新華社の記事を多くの人が新浪微博でリツィートしたが、同じくすぐ消えた。数分後に、初めて新浪微博でも新華社報道をリツィートできるようになった。
「みなさんは、随分たってからやっと我々の記事をご覧になっただろうが、つぶやくのは遅かったわけではなかった。新浪はあまりにもくそ真面目だった」
と新華社中国網事は、23:22に、新浪ネットを嘲笑いながら、つぶやいた。
新浪微博の遅れは、薄熙来氏関連のつぶやきを排除するロックを解除するのに時間がかかったか、それとも中央テレビを見て、さらに新華社報道を確認して、ロックを解除したのかは不明だが、関連情報をロックしたことは間違いないようだ。
民間のインターネットサイトなので、事前に国から重大情報をもらう国営報道機関と同時に情報を流すことは出来ない。そこは理解できるが、それにしても新浪でのロック解除は、あまりにも時間がかかった。
今晩は何かあるとミニブログに張り付く
新華社から正式な情報が伝わる前、新浪微博は非常に不安定だった。
20時頃に、「共産党幹部の内では薄熙来氏処分の情報が周知されている」と、ハンドルネーム中国人民義勇隊万歳から発信されたが、その後すぐ消えた。他にもいくつかのそれをほのめかすかのような発言があったが、同じくすぐ消えた。
微博にはみんな張り付いた。今晩は何かあるという匂いがした。23時に正式の発表が出たときには、新浪はその情報を発信させないことを一生懸命にやっていた。
一方、23時06分に、こんな声が出た。中央の知らせに反発して、「これは公然と全国人民の知力に挑戦している。(党中央のいる)中南海はまったく暗黒化してしまった。悲しい」(李北方、23:31)。それは削除されていないのだ。
新浪はしばらく嘲笑いの対象となっていた。「新浪は今晩本当に面白い。キーワードの機能では、新華社の公式サイトのミニブログも削除してしまった」(韓松 23:24)。
「削除機能をもっといいものをいれないと」(斗勝布来王 23:35)と新浪に進言した人もいる。
民間企業のため、新華社のように国から事前に情報がもらえない。新浪の失態を、新華社が笑っていいのだろうか。もっとも、新浪の現体制では重大ニュースへの対応は不十分だ。秋の党大会に向けて、新浪はどのように改善していくだろうか。
(J-CAST北京)