「ひどく緊張している様子が分かった」とファン
うわさ通りの「衝撃デビュー」とはならず、打線に助けられての初勝利となったダルビッシュだが、地元ファンは好意的だ。交流サイト「フェイスブック」に開設されているレンジャースの公式ページを見ると、「Thank Yu.(有に感謝)」「まだ1試合じゃないか」「いつもどおりじゃなかっただろうけど、とにかく勝ち投手になった」と励ますコメントが並ぶ。一方で「初回の彼のしぐさを見ていたら、ひどく緊張している様子が分かった」との指摘もあった。
ダルビッシュは試合後、「体と精神がアンバランスな状態だった」と話した。ツイッターでは「調子は最悪でしたが粘り強く、気持ちも強く持って投げました」と報告。続けて「毎年最初の登板は気持ちと身体が一致せず苦労してるな~」とぼやいた。北海道日本ハムファイターズ時代も開幕戦はあまり好結果を出しておらず、2011年は7失点で敗戦投手となっている。メジャー初登板で本来の投球ができなかった事実は本人が一番身にしみているようで、ツイッターでファンから祝福の言葉をもらっても「あんなんでおめでとう言わないでください」と返信、恐縮の様子だった。
ESPNオンライン版のジャン・ジャック・テイラー記者は、総額1億1200万ドル(約90億7200円)の超大型契約で獲得したダルビッシュが満を持して登板したが、「初回、2回は何ともがっかりだった。大熱狂とあふれる期待の中、ひどいコントロールだった」と記事の中でバッサリ。しかし「彼の能力は誰もが認めるところだ。最大の疑問点は、不調の際にどう修正するか、だった」という。これに、3回以降無失点という結果でこたえたことで、テイラー記者も「素晴らしい」と評価。「ダルビッシュは立ち直った。これこそチームにとって最も重要だった」とつづっている。