大リーグ、テキサス・レンジャースのダルビッシュ有投手が、メジャー公式戦初登板を果たした。地元デビューを飾ったものの初回から四球を連発し、2回までに5点を失った。
味方打線の強力援護で初白星を手にしたが、日米の野球ファンの期待とは裏腹に大荒れの内容で、次戦以降に課題を残す第一歩となった。
3回以降の投球で結果を残した
「ダルビッシュ有、初回乱調も勝ち星拾う」(米CBSスポーツ)
「ダルビッシュ、打ち込まれるも立て直して初勝利」(米USAトゥデー紙電子版)
米主要メディアは、ダルビッシュのデビュー戦をこのように報じた。レンジャース入団当初から全米の注目を集めてきたが、初登板はほろ苦いものとなった。
対戦相手は、イチロー外野手が所属するシアトル・マリナーズ。立ち上がり、先頭打者に四球を与えると、いつもの「ダルビッシュらしさ」が消えていた。3番イチローに左前打を許すなどこの回だけで被安打4、与四球3、暴投までついて打者一巡でいきなり4点を失う。続く2回もイチローに二塁打を打たれ、さらに1失点だ。この試合、イチローは対ダルビッシュ3安打と日本人大リーガーの先輩として「手荒い歓迎」を示した。
米スポーツ専門放送局「ESPN」オンライン版のリチャード・デュレット記者はこの試合のリポートの中で、初回に投げた42球のうちほぼ半数の20球がボールで、「本人が望んだような回にはならなかった」と指摘。2回にも2ストライクからの安打を2度許し、早くもブルペンでは救援投手が準備を始めていたという。「緊張感から投球リズムがつかめていなかったようだ」と分析した。
しかし3回は立ち直りの兆しをみせる。川崎宗則内野手が中前打を放ち、次の打者は死球とピンチを広げるが、後続を抑えてようやく無失点に切り抜ける。すると4、5回と続けて三者凡退に切って取った。その間に味方打線が大爆発して逆転、ダルビッシュは5回3分の2を投げたところで、勝ち投手の権利を残したまま降板した。先述のデュレット記者は、3回以降の投球で結果を残したことにより「自信をつけてマウンドを降りた」と考える。