橋下大阪市長ウォッチ
60ツイートのヒートアップバトル 橋下氏「知識述べるだけ」、池田氏「論点すり替え」

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   橋下徹大阪市長と経済学者でアルファーブロガーの池田信夫氏が、ネット上で激論を戦わせている。池田氏がブログで橋下氏を批判し、橋下氏がツイッターで反論、池田氏が再反論、橋下氏が再々反論、と展開している。

   橋下氏のツイッター連続投稿は珍しいことではないが、今回は、池田氏が「けさから、橋下徹氏のツイッターがすごいことになっている」と驚くほどだ。

池田氏「冗談でなければ無知としか思えない」

橋下氏が池田信夫氏とネット上で論戦している。
橋下氏が池田信夫氏とネット上で論戦している。

   2012年4月9日、橋下氏のツイッターは、朝から夕方まで断続的に60を超えるツイート(1ツイート140字以内)が続いた。一部は別の話題もあるが、ほとんどは池田氏との論争に関連する内容だ。

   直接的な発端は、池田氏が4月7日に公開した「『橋下=小沢政権』の運命」(全文リンク)と題したブログ記事だ。池田氏が所長をつとめるアゴラ研究所が運営する言論サイト「アゴラ」にも載った。

   消費税増税問題に絡み、現状での増税に反対している小沢一郎・民主党元代表を「称賛」する橋下氏を批判的に扱った内容だ。消費税の地方税化を訴える橋下氏に対し、「狭い日本で地域ごとに消費税をとるなんて、冗談でなければ無知としか思えない」などと指摘している。

   以降、4月9日夕現在、池田氏は計4本のブログやツイッターで、橋下氏は8日から70ツイート以上を費やし、論争を展開している。

   橋下氏は4月8日のツイッターで、池田氏の意見をネット上で目にしていたとして、池田氏への反論を始めた。7日の池田氏ブログだけでなく、以前のブログ内容も踏まえて発言している。

橋下氏「(池田氏は)行政をやったことがないから」

   池田氏が8日に更新した「橋下氏への反論」(全文リンク)ブログでは、「きのうの記事」に橋下氏から「反論をいただいた」として、橋下氏の論点を代表する5ツイートを紹介し、それぞれ「反論」している。

   例えば、橋下氏ツイッター(8日)は、池田氏に対し、

「何よりも、細かな知識を述べるだけで、事の本質を突いていない。これは行政をやったことがないからでしょう。例えば消費税は20%にする必要があると述べられていますが、今の日本の統治機構のままで消費税を20%も上げれば、どれだけ無駄遣いが生じるか、改革は完全にストップです」

と批判している。これに対し、池田氏は、

   「まず私は『消費税は20%にする必要がある』と書いたことはない」として、消費税20%は仮定の話だし、「『今の日本の統治機構のままで』などとは書いていない。橋下氏は、私が書いていない税率の話に論点をすり替えている」と逆批判をしている。

   池田氏はさらに、別のブログ「大阪市を都市国家に」(全文リンク)を8日午後に更新し、政策提言もした。橋下氏への直接的な批判の言葉は出てこない。

   これに対し、橋下氏ツイッター(9日朝)は、「具体論を何一つ語れない」自称インテリが多い中、

「ところが、池田信夫氏は違った。行政上の具体論できっちりと反論してきた」

と一目置く発言をした上で、

「池田氏の知識部分については同意である。しかし、政治は実現することが本命である。池田氏に欠けているのは実現の手法だ」

と再び批判を続けた。

「アゴラだかゴリラだか知らねーが」

   また、アゴラ編集部の石田雅彦氏が8日午後、池田氏との論争について「橋下氏はアゴラ上へ反論せよ」というタイトルのブログを載せたことを受け、橋下氏ツイッター(9日朝)は、

「アゴラだかゴリラだか知らねーが、何で俺が、そんな訳の分からんネットメディアに反論を寄稿しなきゃなんないんだ?命令されるいわれはない。普通はお願い、依頼だろ!アゴラかゴリラかそんなところに寄稿するくらいなら、まだ週刊文春や週刊新潮に寄稿した方がずっとましだ。ほんと勘違いしてるよ」

と怒りを爆発させた。

   4月9日夕現在、橋下氏が目指す道州制実現よりも、大阪市をチャーターシティ(独自憲章をもつ都市)にすることを提言する池田氏と、あくまで「道州制をやり遂げるしかない。そのための消費税の地方税化だ」と主張する橋下氏の間で、ブログとツイッターを通じてやりとりが続いている。

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