進まないアクションプラン
とはいえ、このアクションプランで掲げた人件費の削減計画で、現在実行に移されているのは給与・賞与の削減だけといってよい。それでも、東電の平均年収は761万円(11年12月、平均年齢40.9歳)の水準にある。
アクションプランによると、12年度から実行に移されるはずの「時間外手当の割増率の引き下げ」すら、いまも労働組合と協議中で、遅れている。東電は「4月中には合意したい」と話している。
作成中の総合計画を「判定」し、認定する立場にある枝野幸男経済産業相は、政府の原子力損害賠償支援機構が発足した際に、東電の役員報酬や社員の給与について「公務員や独立行政法人と横並びで当たり前」と述べ、徹底的なリストラが不可欠との認識を示した。 また、同機構の杉山武彦理事長も「人件費を象徴とする東電の改革徹底が基本。厳しさをもって臨む」と述べていた。
しかし、逆に機構との調整が長引き、何をするにも機構の「お墨付き」がないと動けなくなったことで、なかなか「本丸にメスが入っていかない」ようにもみえる。