2011年度の日本企業による海外企業に対するM&A(合併・買収)は、企業の海外戦略の強化や資源・エネルギーの安定確保などの動きを背景に、金額が7兆3264億円、件数が474件となり、ともに過去最高になった。M&A助言のレコフが2012年4月4日に発表した。前年度に比べて金額では2倍増、件数では2割増となった。
地域別金額は、対北米3兆788億円、対欧州3兆368億円、対アジア5614億円だった。歴史的な「円高」が進行したことで、日本企業が「買い手」として優位になったことも後押しした。
大型の買収案件では、武田薬品工業がスイスの製薬大手、ナイコメッドを約1兆1000億円で買収したほか、キリンホールディングスがブラジルのビール2位、スキンカリオールを買収。三井住友フィナンシャルグループは英銀大手のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)から航空機リース事業を買収した。