小沢元代表系「辞職届け」続々 民主党は「消費税分裂」するのか

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   分裂状態に陥った国民新党に続き、民主党内でも分裂含みの動きが表面化してきた。消費税増税に反対する小沢一郎元代表系の議員らが30人超、党役職などの辞表を出した。離党届け提出に踏み切った議員もいる。

   「まだ辞職組は増える」と今後、緊張が高まることを示唆する小沢氏周辺の声がある一方、増税法案採決のときに反対して離党する覚悟までしている辞表提出議員らは、多くはないのではないかとの指摘もある。

「まだ辞職組は増える」

民主党で役職辞職届提出の動きが広がっている。
民主党で役職辞職届提出の動きが広がっている。

   民主党の鈴木克昌幹事長代理は2012年4月2日、21人の党役職者の辞表を取りまとめて党執行部に出した。すでに辞表を提出した政務3役の4人らを合わせると計33人に上るという。鈴木氏は、小沢元代表を支持する中堅・若手の「一新会」の会長だ。

   辞表問題の対応を協議した野田佳彦首相らは2日夕、慰留する方針を確認した。

   また、小沢氏グループの木内孝胤衆院議員(東京9区)は2日、増税法案の国会提出に反発し、離党届を出した。

   消費増税法案は、野党からの協力がない場合、与党から60人以上が造反すれば否決される。すでに国民新党の亀井静香代表は法案反対を明言し、「連立離脱」を表明している。

   今回の辞表・離党組の約35人が造反予備軍で、さらに増える勢いだとすれば、法案成立を目指す野田首相も静観してはいられない。小沢グループの勉強会には、衆院議員が80人規模で参加している。小沢氏らは「否決の可能性」をちらつかせながら、執行部をけん制する構えだ。「まだ辞職組は増える」との指摘もある。

「小沢切り」で野田首相と谷垣総裁が「接近」?

   小沢グループの「辞職攻勢」は、離党も辞さない「本気」の動きなのだろうか。

   政治評論家の杉浦正章・元時事通信編集局長に聞いてみた。

「(小沢氏らは)とりあえず強く出て、どういう動きが出てくるか、見極めようとしている段階でしょう」

と杉浦氏は指摘した。

   自民党執行部が「小沢切り」を条件に、「話し合い解散」に柔軟な姿勢を見せ始める中、「(小沢氏らは)追いつめられており、悪あがきをしている」とみる。

   大手新聞社なども消費税を増税するべきだという論調で、「政界からもマスコミからも(小沢氏らは)孤立している」というわけだ。

   野田首相と谷垣禎一・自民党総裁、小沢元代表の「三角関係」の中、小沢氏が反発を強めて野田首相との関係が冷え込めば、野田首相と谷垣総裁とが接近し、「小沢切り」が現実味を増してくる。

   小沢氏グループが民主党を飛び出して「小沢新党」をつくる可能性については、「選挙で勝ち目はない」と否定的だ。

   石原慎太郎都知事らの「石原新党」や、橋下徹大阪市長が代表の「大阪維新の会」との連携も、取りざたはされるが実現性は未知数だ。

   毎日新聞が4月2日付朝刊で報じた世論調査結果によると、消費税増税法案について、「反対」が60%と「賛成」37%を大きく上回る一方、「法案採決で反対する構え」の小沢氏らの姿勢については、「不支持」65%、「支持」30%だった。消費税増税には「反対」だが、反対姿勢の小沢氏らには必ずしも支持は広がっていない数字となっている。

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