「小沢切り」で野田首相と谷垣総裁が「接近」?
小沢グループの「辞職攻勢」は、離党も辞さない「本気」の動きなのだろうか。
政治評論家の杉浦正章・元時事通信編集局長に聞いてみた。
「(小沢氏らは)とりあえず強く出て、どういう動きが出てくるか、見極めようとしている段階でしょう」
と杉浦氏は指摘した。
自民党執行部が「小沢切り」を条件に、「話し合い解散」に柔軟な姿勢を見せ始める中、「(小沢氏らは)追いつめられており、悪あがきをしている」とみる。
大手新聞社なども消費税を増税するべきだという論調で、「政界からもマスコミからも(小沢氏らは)孤立している」というわけだ。
野田首相と谷垣禎一・自民党総裁、小沢元代表の「三角関係」の中、小沢氏が反発を強めて野田首相との関係が冷え込めば、野田首相と谷垣総裁とが接近し、「小沢切り」が現実味を増してくる。
小沢氏グループが民主党を飛び出して「小沢新党」をつくる可能性については、「選挙で勝ち目はない」と否定的だ。
石原慎太郎都知事らの「石原新党」や、橋下徹大阪市長が代表の「大阪維新の会」との連携も、取りざたはされるが実現性は未知数だ。
毎日新聞が4月2日付朝刊で報じた世論調査結果によると、消費税増税法案について、「反対」が60%と「賛成」37%を大きく上回る一方、「法案採決で反対する構え」の小沢氏らの姿勢については、「不支持」65%、「支持」30%だった。消費税増税には「反対」だが、反対姿勢の小沢氏らには必ずしも支持は広がっていない数字となっている。