国家公務員の給与が、2012年度と13年度の2年間にわたって平均7.8%引き下げられることになった。それでも「官民格差」を指摘する向きも多い。実際のところ、お役人はいくらもらっているのか。
給与削減法案は、2012年2月29日の参院本会議で成立。約6000億円の財源が捻出される見通しで、東日本大震災の復興財源に充てられる。また、13年度からは国家公務員の新規採用が大幅に抑制される見通しで、若手官僚の労働条件の大幅な悪化が懸念されている。
30歳前半で年収678万円程度か
では、現時点での若手官僚の待遇はどうなのか。それを比較的詳細につづっているブログがある。ライブドアの「ブロゴス(BLOGS)」に配信されているブログ「三十路の官僚のブログ」では、2012年3月分の給与明細の内容を公開している。筆者は経済産業省から独立行政法人に出向中だが、給与体系はほとんど同じだという。基本給にあたる俸給29万2000円や約60時間の残業に対して出る「超過勤務手当」12万8000円、特別年手当1万7000円、住居手当2万7000円などを合わせて額面の月収は46万5000円。これから共済関連とみられる「長期掛金」3万円や所得税1万7000円、住民税2万7000円などが控除され、手取り月収は37万円だ。
さらに、総務省の発表によると、11年12月9日に支給された冬のボーナスは平均で給料2.02か月分。ここで言う給料とは、俸給と地域手当などを合わせた額だ。6月の夏のボーナスと合わせると、年間で支給されるのは3.89か月分。1年で約120万円が支給されている計算だ。これを月収と合わせると、年収は678万円程度だと推定される。ただ、ボーナスは平均なので、これを超える可能性はある。単純に7.8%減少するとなると、12年度の年収は625万円程度になるものとみられる。
人事院の「国家公務員給与等実態調査」によると、11年4月1日現在の平均月収は約41万円(平均年齢42.5歳)。年収換算すると約650万円だ。ブログの筆者がいうように、「年齢の割には、多めにもらっている」らしい。