消費増税関連法案が2012年3月30日に閣議決定されたことを受け、野田佳彦首相は同日夕方、首相官邸で記者会見した。成立に「政治生命をかける」としている野田首相だが、その内容については「解釈するのは、やぼ」とかわした、さらに、「どうするかは私の胸三寸」とも述べ、あらゆる可能性に含みを残した。
約30分にわたって行われた会見では、年度内に閣議決定と国会提出にこぎ着けたことについて、
「与党の同志の皆さんに誇りを感じている」
と述べる一方、国民新党が事実上の分裂状態におちいったことについては、
「国民新党の党議については、私が解釈する話ではない。ただ、朝の会議の段階で自見(庄三郎)大臣が閣僚として署名していただいたことについては、万感の思いで感謝した」と、踏みこんだコメントは避けた。
「その解釈を云々するのは、やぼじゃありませんか」
野党に対しては、
「多くの議員の皆さんは、社会保障を安定、充実させ、そのための安定財源として消費税が必要でだと思っていると思う。政局ではなく、大局に立つのであれば、『政策のスクラム』を組むことは十分に可能だ」
と、引き続き協議を呼びかけた。
野田首相は、今国会の会期中の成立に持ち込みたい考えで、仮に成立させられなかった場合の責任の取り方について、
「国民の信を問う、あるいは退陣するという意気込みだと理解して良いのか」
と問われると
「そう簡単に理解しないでください」
と苦笑。その上であらゆる含みを残した。
「『政治生命を賭ける』というのは文字通りに受け止めていただきたい。その解釈を云々するのは、やぼじゃありませんか、ええ。ただ、『政治生命を賭ける』と言ったことは事実。賭けてます。どうするかは、私の胸三寸。しかも『通らなかったら』という悲観的な『たられば』については、私は今想定していない」