東京電力は、政府の原子力損害賠償支援機構に対して1兆円の資本注入を申請した。資本注入されれば政府の公的管理となる。
東電が資本注入を求められたのは、今後原発の廃炉費用が膨らむことや、原発停止による火力発電の燃料費が急増しているため。2012年3月29日に東電本店で会見した西沢俊夫社長は、資本注入の申請について「経営状況が厳しいなか、いろいろと手を尽くしたがこうした事態に至ってしまった。今後も経営合理化を徹底していく」と強調した。
福島第一原子力発電所の事故に伴う賠償支払いのため、約8459億円の追加支援も要請した。
一方、資本注入などを受けるには枝野幸男経済産業相から「総合特別事業計画」の認定を受ける必要がある。東電と同機構は、事業計画を3月末までに枝野経産相に提出する予定だったが、勝俣恒久会長の後任人事が難航していることもあり、「資金援助」を先行させ、事業計画は4月半ばまでに提出することにした。