日立にも「接近」していた
鴻海精密工業の郭台銘董事長はかねてから、「われわれと日本企業が組めば、サムスン電子(韓国)に勝てる」とし、日本の電機メーカーとの資本・業務提携を模索してきた。
日本企業が有する先端技術の取り込みを狙い、需要の拡大が見込める中小型液晶パネルでは日立ディスプレイズの経営権の取得を目指した。結局、日立とは破談したものの、その一方でシャープとの提携交渉を進めていたというわけだ。
一方、シャープといえばほんの5~6年前までは「亀山ブランド」の液晶テレビや「AQUOSケータイ」で成長し、2006年度連結決算(07年4月発表)では売上高は3兆1277億円を記録して4年連続で過去最高を更新するなど、まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」だった。
それが09年度決算で1300億円の最終損益となり、上場以来初の赤字を計上。11年3月期は過去最大となる2900億円の最終赤字を計上する見通しだ。