AIJ投資顧問の年金消失問題について、同社の浅川和彦社長は「責任を痛切に感じている」と謝罪したうえで、「年金基金という資金の重さからどうしても損した形で返したくなかった」と述べ、虚偽の利回りで顧客を勧誘して運用を続けていた事実を認めた。2012年3月27日に開かれた衆院財務金融委員会の参考人質疑で語った。
問題発覚後、浅川社長が公の場に姿を見せたのは初めて。浅川社長は「最初からだますつもりは全くなかった」と釈明。AIJは約1500億円の資金を受託し、デリバティブ(金融派生商品)での取引を膨らませていたが、「バクチをした覚えはまったくない」と強調。年金消失の経緯については「2009年4月から10年3月に相場が上がってやられた」と説明した。「水増し」については浅川社長が直接関与していた。
また、自身の報酬を「年収7000万円」と明らかにし、管理報酬の着服などは「一切ない」と言明した。