JAL「鶴丸」ボーイング787が成田に到着 収益力アップに期待

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   日本航空(JAL)が発注していた次世代中型旅客機、ボーイング787型機の初号機が2012年3月27日夕方、成田空港に着陸した。787が納入されるのは、11年9月の全日空(ANA)に続いてJALが世界で2社目。787は従来の中型機と比べて燃費が向上したため、各社は収益力向上につなげたい考えだ。航続距離も伸び、これまでは大型機でしか乗り入れられなかった路線にも就航できる。路線計画に大きな影響を与える存在だともいえ、競争が激化しそうだ。

4月22日開設のボストン線に就航

成田空港に到着したJALのボーイング787型機。社員が横断幕で迎えた
成田空港に到着したJALのボーイング787型機。社員が横断幕で迎えた

   JAL向けの787をめぐっては、11年秋時点では11年中に納入される見通しだったが、最終調整に時間がかかり、3か月も遅れた。JAL向けの初号機は3月26日16時(日本時間27日8時)に米シアトルのボーイング社工場を日本に向けて出発、約10時間をかけて日本に到着した。

   現時点でJALは45機の787を発注。4月22日には787が世界で初めて就航する米国路線となる、成田-ボストン線が開設される。4月以降には、羽田-北京線、成田-デリー線、成田-モスクワ線、12年12月に成田-サンディエゴ線、13年3月に成田-ヘルシンキ線などに投入される。これまでは、長距離路線にはボーイング777型機といった大型機しか投入できなかった。787型機の登場で、需要があまり多くない長距離路線の開設も可能になることから、787は「ゲームチェンジャー」(業界の枠組みを変える存在)とも呼ばれる。初号機から降り立った植木義晴社長は、

「新しい場を切り開いていく飛行機になり得る」

と期待を込めていた。

ANA機とはエンジンのメーカーが違う

   787は炭素繊維を多く使用して機体を軽量化したことから、従来機に比べて燃費が2割向上。窓も1.3倍に大きくなった上、湿度や気圧も高く保つことができるようになり、居住性が向上した。部品の約35%が日本製で、「準国産機」と呼ばれることもある。現時点では、世界中の航空会社から合計870機以上が発注されている。11年9月に全日空(ANA)に対して世界で初めて納入され、同社は11年11月から国内線を中心に、羽田-フランクフルト線といった長距離の定期便にも投入している。

   ANA機は英ロールス・ロイス社のエンジンを採用したのに対して、JAL機は米GE社のものを採用。内装面では、座席数や天井の照明パターンが異なる。また、JAL機では個人用ディスプレイで電子マンガを楽しむこともできる。

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