「警察は本気」「もうだめかも」の声も
シンガポール会計企業規制庁(ACRA)の2010年3月16日の発表によるとDHANVANTRAY氏は、海外の5つの顧客企業からの要請で各社の現地法人代表を名乗った。同国会社法では、どの会社もシンガポール在住の代表者を最低1人は置かねばならないと定めているからだ。一方で5企業の代表者は誰もシンガポールに住んでいなかった。各社の登記簿上の住所は、「リクビン社」の本社と同じものとした。
2008年11月14日、これら海外5社の代表者の住所をリクビン社が登録している事務所の住所に変更した。しかしACRAが調査したところ、実際に5社の代表者が現地で住所変更をしていなかったことが判明、DHANVANTRAY氏がシンガポールで虚偽の居住登録を行い、会社法に抵触したとの判断を下した。
これ自体は、2ちゃんねるの管理会社「パケット社」とは関係ない。パケット社の住所を見る限り、リクビン社の本社とは違っている。しかし読売の報道では、パケット社の登記簿上のビルに入っていたのはリクビン社で、業務を代行しているとなっていた。実際にグーグルの「ストリートビュー」を使ってパケット社の登記簿上の住所を入力すると、そこには「リクビンビル」と書かれた看板がかかった建物が写っていた。リクビン社が複数の事務所を構えていたとしてもなんら不思議はないが、そのひとつがパケット社と同じ住所というのはどういうことだろうか。
パケット社に2ちゃんねるが譲渡された2009年の時点で、インターネット上では「どんな会社か」を突き止めようと、開示されている同社の登記簿を閲覧したり、リクビン社について調べたりする人が既にいた。そのためか今回の読売報道に接しても、ネット上では「3年前に出ていた話」「何をいまさら」との冷めた見方も少なくない。
一方で2012年3月上旬、2ちゃんねるに覚せい剤の購入をそそのかす書き込みがあったにもかかわらず放置したとして、警視庁がサーバー管理会社などの家宅捜索を行ったと報じられた。それに続く「ペーパーカンパニー」騒ぎで、「警察は本気ということか」「もうだめかも分からんね」という声も出ている。