「前田敦子のAKB48卒業で、東大生が自殺したらしい」――卒業発表のあった2012年3月25日夜、こんなデマがインターネット上をかけめぐった。
事実だと信じて情報を拡散した人もいたことから、この「トンデモデマ」に多くの人が巻き込まれ、ちょっとした騒動となった。
デマ信じた人が「このような事を無くすため拡散希望」
25日21時30分ころ、あるツイッターユーザーが
「前田敦子のAKB48卒業にショックを受けた東大生が自殺したらしい。(中略)心もろい日本のエリート。」
とつぶやいた。これはのちに本人いわく「私が開発したツイート」ということで嘘の情報だったが、この時点ではそのことがわからなかったから、「どえらいニュースやなー」「メンタル弱いんやね」「親は葬式でどんな顔したらいいかわからんですね」などとリツイートした人もいた。中には
「AKBの前田敦子が卒業と聞いて東大生が自殺しました、この事をみんなに知らせてこのような事を無くしましょう」「前田敦子AKBから卒業で東大生自殺したらしい 皆でこの情報を広めよこの情報を知ってもらう為にRT」
と、さらに自分で文面を作ってツイートし、再発防止のために、情報を広めさせようとする人も出てきた。
発信者「デマは私の著作物である」奇妙な主張
「デマツイートを信じた人のツイート」は2ちゃんねるで紹介されたほか、あるニュースサイトでは最初のデマツイートではなく、それを事実と信じた人のツイートを「情報発信源」と紹介、「デマが拡散している」というニュースを掲載した。
このニュースサイトが、デマを事実と信じて情報を拡散させようとしたユーザーのアカウント名を公開してしまったため、このユーザーに対し、デマだと見破った人から、「東大生に失礼だろ」「無責任な情報垂れ流してんじゃねえよ」などの批判コメントが寄せられた。そこでようやく、嘘の情報を真に受けて広めてしまったことに気づいたユーザーは謝罪、アカウントを削除した。
27日現在、「東大生自殺はデマだった」という認識が広まっており、騒動は鎮静化している。