大阪都構想実現に向けた法改正が実現した場合、橋下徹大阪市長が代表を務める大阪維新の会は、国政進出を見送るのか。それとも関係なく打って出るのか。
橋下市長は、実現した場合の国政進出には慎重な姿勢も見せる一方、「国の体制を変える」ため、都構想に関係なく国政に出ることを伺わせる発言もしている。テレビ番組で質問を受けたが、微妙な発言にとどまった。
「国を変えよう」とやる気満々
「国の体制を変える戦(いくさ)とは何ぞや。それは選挙なんです」「来るべき大戦(おおいくさ)に備えてしっかりと我々で準備をしていきましょう」
橋下市長は2012年3月24日、「維新政治塾」の開講のあいさつで、こう語った。大阪都構想を超えて「国を変えよう」とやる気満々、と受け取れる発言だ。
維新塾の受講生は約2000人。今後人数を絞り込みつつ、国政進出の際の候補者予備軍となる見込みだ。次期衆院選で300人規模を擁立し、200議席を確保することも視野に入れている。
国政進出について、橋下市長ら維新の会幹部は従来、(1)大阪都構想が実現するよう、既成政党に法改正をお願いする、(2)国会で既成政党の協力が得られなければ国政進出し、法改正をめざす、と2段階論で説明していた。
大阪都構想については、民主党や自民党、公明党、みんなの党が、法案骨子公表や法案提出を済ますなど、実現へ向け動きを見せている。法案(骨子)内容の人口要件などに各党で開きがあるとはいえ、実現することが現実味を帯びている。
こうした情勢の中、維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事は3月8日、維新の会の国政進出に関する質問を記者から受け、「ここまでくれば最低、道州制まではやりたい」と述べた。
都構想実現だけではダメで、道州制まで実現化しないと国政進出する、と条件をつり上げた形だ。