政局しだいで法案も微妙
「総合取引所」は具体的には、東京、大阪両証券取引所が2013年1月に経営統合してできる「日本取引所グループ」に、東京工業品取引所(工業品)と東京穀物商品取引所(農産物)が合流することだ。しかし、持ち株会社日本取引所グループ傘下に事業会社の大証や東工取がぶらさがる形では規制・監督の一元化は認められず、同グループ傘下で事業会社の大証や東工取が合併しなければならない。
また、肝心の当事者にも温度差がある。日本取引所傘下でデリバティブ(金融派生商品)市場を担う大証(東証は現物株を担う)は、市場活性化のために一元化に前向き。東工取は、「コストのかかるシステム負担を大証と共同化できるなら」と、以前は積極的だったが、ここへ来て「ついていけるか不安」という先物取引業者の声を受けて慎重姿勢に転じ始めた。
政府内には「政局いかんでは法案そのものがどうなるか分からない」との見方も出ている。その場合、結局、「絵に描いたモチ」になる可能性も否定できない。