チーム内に不協和音が響くのは必至?
問題はチーム内のその後だ。開幕投手というのは投手ならだれでも目標にする。それは、開幕戦に先発マウンドに登ることは、その年の投手陣の柱である、という証であり、投手自身のステータスでもあるからだ。野手も納得する投手が先発することで全力を発揮できる。開幕戦はシーズンのただの1試合ではない。
ケッペルはともかく、武田勝はショックを受けているだろう。開幕投手はようやく巡ってきたチャンスだったし、本人も「オレの出番」と自覚していたはずだ。武田勝は昨年11勝を挙げた。12敗しているが、内容は不運が重なり勝ちゲームをいくつか失った。防御率2.46が安定さを示している。現在3年連続2けた勝利で、その投球についてはダルビッシュも「学ぶところがある投球テクニック」と高く評価する。
プロ選手は実力と実績がすべて。監督はそれをもって選手起用する。斎藤は新人だった昨年6勝。栗山監督はいきなり監督生命をかけたような開幕戦を迎えることになる。投手陣にしこりが残ると、チーム全体に不協和音が生まれることもあり得る。開幕戦の不満が引きずったケースは過去にいくらでもある。
「身の引き締まる思い」と言う斎藤の結果が今年の日本ハム、新監督を占うことになる。もっともつらいのは斎藤かもしれない。注目の開幕戦である。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)