開業まで2か月を切った東京スカイツリー(東京都墨田区)の第1展望台「天望デッキ」(高さ350メートル)の個人予約の受付が2012年3月22日、始まった。待ち時間を短縮するため、7月10日までは完全予約制で、しかも抽選制だ。1日にスカイツリーに登れる観光客の数は1万4000人。開業からしばらくは、チケット争奪戦も起こりそうだ。
単純に倍率は計算できない
3月22日に予約受付が始まったのは、開業日の5月22日から5月31日の10日分。3月28日まで申し込みを受け付け、抽選結果は3月30日に発表される。1万4000枚のうち、個人予約に割り振られたのが8000枚。内訳は、ウェブサイトが6000枚、系列旅行社の「東武トラベル」の店頭が2000枚だ。
スカイツリーの運営会社によると、受付開始から24時間が経過した3月23日10時時点で、ウェブサイトでは3万4593件、東武トラベルでは3月22日だけで約9000件の予約を受け付けた。ただ、申し込み1件あたり、日程の希望を8つまで出せる上、人数も8人まで申し込める。このように、申し込みのパターンが多数存在するため、一概に「倍率は何倍」といった計算は難しいようだ。また、日程ごとの申込件数も公表されておらず、混雑具合は明らかではない。
ツアーは5月24日頃から空きがある?
個人予約8000枚以外の6000枚は、団体客や旅行会社のツアー商品に割り振られる。ここが「狙い目」だとの見方もできる。
観光バス大手のはとバス(東京都大田区)では、第1展望台のチケット付きのコースを12種類用意。ツアーには高級ホテルでの食事が湾岸地域でのドライブがセットになっているものもあり、1日あたりの定員は704人に及ぶ。ウェブサイトで公表されている予約状況を見る限りでは、5月24日頃から空きがあるコースもあるようだ。
それ以外にも、阪急旅行社やジャルパックが、地方発のスカイツリーのチケット付きのツアーを売り出している。
また、11年11月22日に始まった団体予約では、すでに54万4600人が予約しているという。