2012年1月1日時点の公示地価は全国平均(全用途)で前年比2.6%下落し、4年連続で前年を下回った。国土交通省が3月22日に発表した。ただ、下落率は2年連続で縮小した。
住宅地が前年比2.4%、商業地が3.1%とそれぞれ下落。前年と比較できる2万5494地点のうち、地価が上昇したのは11年の約2.8倍の546地点だった。住宅地は約2.9倍の441地点が、商業地は58地点多い93地点が上昇した。
震災直後は不動産取引を控える動きが広がっていたものの、足元では持ち直しの傾向にある。東京、大阪、名古屋の三大都市圏の地価は住宅地、商業地ともに11年後半に下落幅が縮小した。地方圏は住宅地、商業地ともに下落が続く地域が多い。
昨年3月に発生した東日本大震災の被災地では、地価の二極化が進んでいる。被災した住宅の移転が見込まれる高台では地価が大幅に上昇した地点があり、宮城県石巻市の高台にあたる住宅地の上昇率は60.7%に達した。全国の住宅地で高い上昇率を示した10地点のうち9地点が被災地だった。
その一方で、福島第一原子力発電所の事故が収束しない福島県では、すべての住宅地が下落した。津波被害が大きかった沿岸部の地価も軒並み下落している。