原発事故の賠償金などで、一部の被災者が働かずにパチンコなどに興じている、との報道が出ている。どの程度なのか実態は不明だが、ネット上では賛否が分かれているようだ。
「パチンコ三昧という『不思議な被災者』」。週刊ポストは2012年3月12日発売号で、こんな見出しの記事を出した。
給料分も東電から補償される
それによると、震災後に失業手当を受け、さらに東電の賠償金をもらって、お金に困らず働かなくなった被災者らが最近見られるようになってきた。福島県いわき市では、避難区域の町から避難してきた人が、昼間からパチンコ店に入るなどしていたという。記事では、「みんなが復興に向けて頑張っているのに…」との嘆きの声を紹介している。
月に最大で22万円の失業手当が支払われるほか、東電の賠償金が1人当たり毎月10~12万円出ているからだ。税金の減免や仮設住宅入居などでさらに負担は減り、被災者には食費や光熱費などしか払うものがなくなる。働かなければやることがなく、避難生活のストレスもあって、パチンコ店や競輪などに通ってしまうのだという。
日経も18日付記事で、「被災地 もう1つの異常事態」と報じた。
避難生活などで働けなければ、給料分も東電から補償される。このため、月給30万円で5人家族なら、1人10万円ほどの賠償金と合わせ、月80万円ほども支払われることになる。この収入で、寿司を食べたり、スマホに買い替えたり、パチンコに行ったりしている被災者も一部でいるとしている。
被災者個人ばかりでなく、企業も賠償金をあてにできるため、工場などを再開しようとしないという。マネー流入により、いわき市では、賠償金や義援金などの銀行預金も大幅に増えたとしている。