泉佐野市の「市の命名権売却」 買い手なんて本当にいるのか

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

千代松市長「(市名の命名権売却)含めて検討したい」

   関西空港の開設を受けて税収大幅増をあてこんだ泉佐野市はかつて、ハコものを次々建てた。しかし、景気低迷であてがはずれ財政が悪化、2009年度には早期健全化団体に指定された。財政破綻を宣告される一歩手前の状態だ。

   泉佐野市では少しでも収入を増やそうと、市サイトや市の封筒などへの広告掲載を取り入れてきた。しかし、財政難打開には至らず、今回のアイデア募集事業が浮上した。市施設の命名権売却はまだ導入していない。

   泉佐野市の担当者は、市名の命名権売却について、府知事の同意だけでなく、市民や市議会の理解が必要で「実現可能性は低い」とみている。年間いくら以上なら検討に値するかとか、市名変更に伴う文書や看板変更などの経費増の試算は「全くしていない」。

   かといって、「単に冗談で例に挙げた」というわけではない。千代松大耕市長も3月22日、実際に市名の命名権売却の提案があった場合は「(そうした案も)含めて検討したい」と記者団に述べた。

   命名権問題に詳しいMBAソリューション(東京)の安部徹也社長に聞いてみると、市名の命名権売却には否定的だった。契約期間付きでは市名変更事務経費が将来的に何度もかかる可能性があり、市民生活の混乱も心配だ。命名権獲得企業の競合企業から反発を受ける恐れもある。

姉妹サイト