関西国際空港がある大阪府泉佐野市が、財政難から市名の命名権(ネーミングライツ)を売却することを「排除しない」収入確保策を模索している。本気で「市名を売る」つもりなのだろうか。
関連報道を受け、「買い手なんてつくのか」、「市名変更の事務経費を考えると無理ではないか」と話題になっている。
民間から広告収入増のアイデア募集
読売新聞は2012年3月21日付夕刊(東京最終版)で、泉佐野市が「市の名称を企業名や商品名に変更する自治体名の命名権売却に乗り出すことを決めた」と報じた。
泉佐野市の政策推進課にきくと、「新しい発想」で市に広告収入をもたらすアイデアを民間から募ることを計画しており、その一例として命名権に触れ、さらに命名権の例として「市の名称変更」も挙げた内部文書を作っている、と説明した。ほかに、「市の愛称」や市役所の名称変更も例にある。
「大胆な提案が欲しい」ため、刺激のある例を参考として挙げた形だ。実は「市名命名権の売却の実現性は低い」し、そもそも「(泉佐野市のような)10万人都市では、ネーミングライツ自体が厳しい」とみているそうだ。
他の自治体のように市の文化会館などの施設の命名権売却を取り入れても、勝算は低いとみているわけだ。そこで、市の広告収入を増やすべく、「民間の新しい発想」でアイデアを出してもらう事業を6月にも始めることにした。基本的には、命名権売却自体を超える斬新な案を期待している。