パルコ筆頭株主にJ・フロント 「イオン沈黙」の不気味

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

再び争奪戦の幕が上がるのか

   ところが、そこへ登場したのが、斬新な百貨店づくりを標榜し、若者取り込みを図っているJ.フロントだった。話はトントン拍子に進み、J.フロントは2月24日にパルコ株取得を発表。パルコも「(都市部に展開する)J.フロントとは業務上の共通点も多い」とコメントし、「ホワイトナイト」の登場に喜びをにじませる。

   パルコ側に配慮したのに裏切られた形のイオンは怒り心頭だが、業界では「J.フロントに33%を抑えられては動きようがない」との見方が多い。また、J.フロントのパルコ株の取得額は、直近の終値を約6割上回る1株1100円。イオンはパルコ株を計約85億円で取得したが、仮にJ.フロントに1株1100円で売り渡せば約111億円となり、一定のリターンが得られる。

   業務提携の具体化が一段と困難になった今、イオンはパルコ株の売却益を得て撤収するのが自然と思われるが、業界では「一筋縄ではいかない」とみる向きも多い。イオンはかつて、持ち帰り 弁当チェーンのオリジン東秀の買収でドン・キホーテとTOB(株式公開買い付け)合戦を繰り広げるなど、M&A(企業の買収・合併)では積極的な姿勢で知られる。パルコのノウハウがどうしても必要と判断すれば、強硬策に出る可能性も否定できない。パルコ争奪戦の幕が再び上がるのか、予断を許さない状況といえそうだ。

1 2
姉妹サイト