【置き去りにされた被災地を歩く】第5回・埼玉県久喜市 
内陸部の液状化、住民も驚いた 元は田んぼ、「再発対策」が急務

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「再液状化」千葉や茨城で既に発生か

1年が経過しても、市の「スポーツ広場」にある建物は復旧工事中
1年が経過しても、市の「スポーツ広場」にある建物は復旧工事中

   液状化した個所の復旧は進んだが、将来の不安が完全に消えたわけではない。数年以内に首都直下型の地震が高い確率で発生するとの試算が出る中、現時点では「復旧を最優先させており、再液状化を起こさない工事は始まっていません」と市の都市計画課は打ち明ける。

   住民にとっても頭が痛い。購入前に「地盤沈下」や「地下水位」の情報はなかなか分からない。今回の液状化では、旧栗橋町が造成した土地であることから、行政の「道義的責任」を問う声も上がった。国や市の支援金で家を建て直しても、土地そのものが軟弱な状態は変わっていない。再び液状化が起きれば、またしても自宅の倒壊という悪夢に襲われてしまう。

   久喜市では、国の復興交付金制度を活用した液状化対策を本格化させる姿勢だ。具体的には、「液状化対策検討委員会」を設置して地盤調査の方法や液状化を防ぐ工法などを検討し、住民と協議しながら液状化対策の事業計画をまとめていく。最終的には住民の同意を得て、液状化を起こさない土地へと改良する工事に乗り出したいとしている。

   だが、再液状化は既に現実味を帯びている。2012年3月14日に千葉県東方沖で起きた地震で、千葉県銚子市や茨城県神栖市では、東日本大震災で液状化が発生した地域でまたも地中から水や砂の噴出が確認されたという。

   久喜市では、今回の液状化の原因究明を含めて調査を進め、再液状化防止の対策を急ぎたい考えだが、事態は「待ったなし」の様相を呈している。

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