専門メーカーも続々参入
収納棚、ちゃぶ台、サイドボード、学習机、本棚……。ネット上では、販売各社が多種多様な段ボール家具を紹介している。簡単な棚やテーブルなら価格は数百~数千円程度と、木製家具から比べれば大幅に低価格だ。段ボール家具専門の販売業者だけでなく、段ボール箱メーカーも続々と参入している。
そんな段ボール家具に最初に注目したのは、学生や、転勤の多いサラリーマン。 そのほか、就学前の幼児用の机などとしても重宝されているという。また、高齢者施設に入居しようとする人が、自分が動けなくなった時のことを考え、「家具を処分してもらう時に迷惑を掛けたくない」と段ボール家具一式をそろえるケースもあるそうだ。
大震災をきっかけに注目度が増したことも見逃せない。避難所に支援物資として贈られた段ボール製のベッドは、冷たい床で寝起きしていた足腰の弱いお年寄りたちに喜ばれた。家財道具を失った被災者が、比較的容易に手に入れられる家具として重宝しているとも。木製のベッドは調達も運搬も容易ではないが、段ボール家具なら軽いうえ、いざという時は自分で製造することもできる。
既製品以外にも、強化段ボールの板(シート)を販売する業者もあり、DIYで手軽に楽しむこともできる。ネット上には切り方、ボンドでの貼り方などを指南するサイトもある。
不況が長引く中、ライフスタイル、ライフステージに応じて、段ボール家具を賢く使いこなすのもおしゃれかもしれない。もちろん、湿気や火気にはご注意を。