プロ野球巨人の主力選手が、入団時に球界の申し合わせで決まっていた「最高標準額」を越える金額を受け取っていたと朝日新聞が報じた問題で、朝日新聞側は、さらに攻勢を強めている。読売新聞は一連の金銭のやり取りに問題ないとする記事を掲載して反撃を試みているが、スポーツ紙やポータルサイトのアンケートでは、「巨人側に問題あり」とする声が大勢で、巨人側は苦しい立場に立たされている。
朝日は社説・オピニオン面で批判続ける
問題が表面化してから丸2日が経った2012年3月17日の紙面でも、朝日・読売の紙面は激しく対立している。朝日新聞は、社説で「ファンに正直だったか」と題して、巨人側の道義的な責任を改めて指摘。オピニオン面にも、「プロ野球界の迷宮」と題して、元スカウトやスポーツライターら3人の論者が、金銭のやり取りの不合理さを説いている。
一方の読売新聞は、第3社会面に「検証 プロ野球『最高標準額』」と題した特集記事を掲載。検証記事の形を取っているものの、記事中の見出しは「拘束力ない『目安』」「上限とはいえず」といったものが目立ち、従来の巨人側の主張を援護射撃している形だ。
ただし、世論は総じて巨人に対して「逆風」のようだ。例えばヤフーで行っている
「巨人が最高標準額を超える契約金、問題ある?」
というアンケートでは、3月17日15時半時点で、約4万6000票が寄せられており、「問題ある」としたのが71%と圧倒的で、「問題ない」は24%にすぎなかった。
また、日刊スポーツが3月16日にネット上で行ったアンケートでは、
「巨人6選手への計36億円という契約金額について、どう思いますか」
という問いには57.5%が「問題ある」と回答。さらに、「『ルール違反はなかった』という巨人の主張をどう思いますか」という質問には、71./9%が「支持できない」と回答しており、巨人側の主張が「無理筋」だと受け止められていることを裏付けた形だ。