アイドルグループ「SMAP」の木村拓哉さん(39)が乗用車を運転し2011年の9月と2012年の1月にスピード違反で摘発されていたことが分かった。
今回の件でトヨタ自動車やニコンなど木村さんをCMに起用している企業は、広告の自粛などはないと明言しているが、専門家は今後、木村さんへのCM依頼が減る可能性があると見る。
週刊文春の報道で事務所も公表
木村さんのスピード違反は「週刊文春」(2012年3月22日号)が報じた。所属するジャニーズ事務所は12年3月15日にこの事実を認めた。昨年9月にサーフィンの聖地に続く千葉東金道路で、20~30キロのスピード違反。同乗していたのは妻の工藤静香さんで、運転していた車種はシボレー・アストロだったという。今年1月もスピード違反があったとし、事務所は、「申し訳ないことをした」という木村さん本人のコメントを出した。
ネットではファンらが一時騒然となったが、事故を起こしたわけではなかった、スピード違反は誰にでもあること、などと胸を撫で下ろしている。ダメージにつながると思われるトヨタも、木村さんのCM展開に変更はない、と明言した。
芸能評論家の肥留間正明さんも、スピード違反であるならばマスコミはこれ以上の追及はしないだろうし、木村さんバッシングは拡大しない、と分析。ただし、今回の件で関係者に迷惑をかけて「男を下げた」のは確実で、今後はCMの依頼などが減るだろう、という。
さらに今回の件で一番驚いたのは、木村さんという大スターが自分で乗用車を運転している事実だったという。
芸能人にとって本来一番危険なのが車の運転で、事故で怪我をすれば関係していた仕事が全てストップし、加害者になった場合はスキャンダルとして取り上げられ失脚に追い込まれる。スターであればあるほど周辺に与える迷惑は大きくなり、大損害を与えてしまう。
高額なギャラには「交通費」が含まれている
「だから木村拓哉には絶対に運転をさせてはいけなかったんです」
と強調する。木村さん自身が運転することは、自分がスターであるという認識と責任の欠如が見え、また、所属事務所も運転はさせないという管理を怠った、と批判した。
例えばスターがCMに起用される場合は高額なギャラが発生するが、そのギャラには「交通費」が含まれていると肥留間さんは説明する。事故が起きないように安全確実に仕事場や家に送り届けてほしいということだ。往年のスターは運転手を雇ったり、付き人に運転させるなどして自らハンドルは握らなかった。仮にスピード違反や事故があったとしても、それは運転手の責任で済まされるからだ。
ここ数年、広末涼子さん、江口洋介さんなど有名芸能人の自動車やバイク事故が目立っている。いずれも自身で運転して事故になった。従来ならばこうしたスターは所属事務所が責任を持って送迎していたが、芸能界が不況になってしまい、コストがかけられなくなってしまった。スターたちは、自身の存在価値や社会的責任の認識が曖昧で、事故が起きた際のイメージがないまま自分で運転するようになった。
「スターも事務所から給料をもらうサラリーマン化しているんです。サラリーマンだから、運転手を雇うとか弟子に運転させるとかの発想が出てこない」
今回の木村さんの件は、芸能人がこれからどう自家用車と付き合うかの教訓として、芸能界全体が考える機会になって欲しいと肥留間さんは願っている。