高額なギャラには「交通費」が含まれている
「だから木村拓哉には絶対に運転をさせてはいけなかったんです」
と強調する。木村さん自身が運転することは、自分がスターであるという認識と責任の欠如が見え、また、所属事務所も運転はさせないという管理を怠った、と批判した。
例えばスターがCMに起用される場合は高額なギャラが発生するが、そのギャラには「交通費」が含まれていると肥留間さんは説明する。事故が起きないように安全確実に仕事場や家に送り届けてほしいということだ。往年のスターは運転手を雇ったり、付き人に運転させるなどして自らハンドルは握らなかった。仮にスピード違反や事故があったとしても、それは運転手の責任で済まされるからだ。
ここ数年、広末涼子さん、江口洋介さんなど有名芸能人の自動車やバイク事故が目立っている。いずれも自身で運転して事故になった。従来ならばこうしたスターは所属事務所が責任を持って送迎していたが、芸能界が不況になってしまい、コストがかけられなくなってしまった。スターたちは、自身の存在価値や社会的責任の認識が曖昧で、事故が起きた際のイメージがないまま自分で運転するようになった。
「スターも事務所から給料をもらうサラリーマン化しているんです。サラリーマンだから、運転手を雇うとか弟子に運転させるとかの発想が出てこない」
今回の木村さんの件は、芸能人がこれからどう自家用車と付き合うかの教訓として、芸能界全体が考える機会になって欲しいと肥留間さんは願っている。