不起立で処分、2010年度は全国で21人
大阪府立高等学校教職員組合の志摩毅委員長に話をきいた。
そもそも、「不起立17人を処分」は不当で撤回すべきだと考えている。まして、不斉唱を問題視する姿勢には大反対だ。
不起立については「行事にふさわしい秩序を乱す」といった批判があるが、不斉唱にはそうした影響はないとして、斉唱の命令には「そこまで人格支配を強制するのか」と反発した。
また、「国歌斉唱」時に教職員のチェックを行っている人たちは、国歌への敬意を払っておらず、チェックのために見回す行為の方が式の秩序を乱すことになるのでは、との考えも示した。
橋下市長は、大阪市でも府と同様の「起立条例」を提案し、成立させている。産経新聞は3月5日付朝刊の社説にあたる「主張」欄で、市の条例成立を「服務規律の厳格化」などの点から歓迎し、橋下教育改革を「全国の自治体に広げよう」と評価している。
ネットのツイッターや2ちゃんねるをみると、
「(職務命令が出ているので、斉唱しているか)確認するのは当然」「日本人なら、しっかり唄いなさい!」「教員しっかりしなさい」
と「斉唱確認」を支持する声がある一方、
「これはやりすぎ」「さすがにネトウヨ(ネット右翼)ニートもどん引き」「北朝鮮と変わらんな」
といった反対の声も並んでいる。
文部科学省によると、2010年度には「校長からの職務命令に従わず、国歌斉唱時不起立」で懲戒処分を受けた公立学校の教職員は、東京都や広島県などで計21人(停職1、戒告15など)。
教育委員会月報などで過去10年程度の処分例と処分理由をみる範囲では、明確に「起立したが不斉唱」を理由に処分した例はみつからなかった。