中国と日本、相互に国債購入 金融面では「持ちつ持たれつ」の関係に

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世界が「中国マネー」を頼りにしている

   日本にとってのメリットはまだある。人民元が安いうちに中国に投資しておくことで、将来の利益が期待できるからだ。欧米の先進諸国が財政不安や景気低迷であえぐなか、中国はなおも経済成長が見込める。「投資先としても悪くはないと思う」と、前出の小田切尚登氏はいう。

   一方、中国のメリットは分散投資にある。中国の外貨準備保有高は2011年12末時点で世界最大の約3兆2000億ドルにのぼる。現在はその7割を米国債などのドル資産、2割をユーロ資産で運用しているとされる。それを多様化したいが、増えたとはいえ日本国債など、まだほんのわずかでしかない。

   ドルやユーロの先行きに不透明感が漂うなか、運用先の多様化は中国にとって大きな課題とされる。中国は日本国債への投資に積極的だが、12年2月には10億ユーロのスペイン国債を購入している。

   先進国はどこも「赤字体質」だ。日本だけでなく、いま世界中が中国マネーを頼りにしていることは事実のようだ。

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