東日本大震災から1年後の2012年3月11日、韓国人と思われる男性が、「日本人は地震で一瞬に死んでください」と発言した動画がユーチューブでアップされ、日本のネットで激しい反発が起こったが、これが韓国で報道されると、ネットの反応は逆だった。
「大統領にしたい」「現代の安重根義士だ!」といった賞賛の声があがり、「韓国は震災で援助したのに恩知らずな日本人」などと逆バッシングの様相を呈している。
韓国でも報道され、多数の「賛同」コメント
この動画で、問題の男性は、自分が人殺しをしたいと思うときにイメージするのは日本人だが、殺す必要はなくなったと、たどたどしい日本語で語り、殺す必要がなくなったのはまた大地震が起こるからで、「日本人は一瞬に死んでください」と発言。バッシングが激しくなると、この動画を削除。新たにアップした動画では、
「必死に、日本のサル達が、私を攻撃しています」
と話し、自分がアップした動画を笑って見ることができないのは韓国を否定する姿勢だからであり、自分は今後ずっと反日を貫く、と語った。
韓国の有力紙「国民日報」電子版は、12年3月12日付けでこの話題を報じ、動画をアップしたのは21歳の韓国人男性で、この動画を見た日本のネチズンが怒っている。韓国人の「蛮行」を知らせるため、この動画に各国語の字幕を付け、複数の動画投稿サイトにアップし始めた、と説明。その動画には、「彼は特別ではなく、平凡な韓国人男性」「韓国人が日本に対して言うことを信じないで」といった文字が入っている、と書いている。
韓国人が今回の「事件」をどう捉えているのか。この「国民日報」記事にはコメント欄があり、多数の書き込みがあるのだが、その大半が、アップした男性に対し「よくぞ言ってくれた!」「現代の安重根義士だ!」などと称賛するものだった。
国民感情に根深い「落差」
例えば韓国で口蹄疫被害があったときに、日本人は掲示板「2ちゃんねる」で「おめでとうと言った」。女優のキム・テヒが来日しようとしたときに殺害予告が出たなどと、日本も同様に酷いことをしている、というのだ。
さらに
「日本で過去の歴史に対する反省、清算しようとする動きはないし、自分たちはうまくやったと臆面もない様子を見ると、大地震に何度も見舞われればいいと思う」
「震災では私たち国民、芸能人、大企業が多くの援助をしたが、日本人は、彼らが過去の犯した蛮行を覚えていないように、韓国の援助を覚えていない」
「日本が我々に友好的であるとかあったのかな?? 自分たちが不利と見れば頭を下げ、有利だと容赦なく、つけ込んでくる。それが彼らの根性です」
などと書き込まれている。
もちろん中には、「日本人の友人がいていい人です」「日本大陸は津波の防波堤だから大切にすべき」という意見もあるのだが、日本人を擁護しにくい雰囲気が漂っている。
今回の動画問題とは直接関係がないが、13日の産経新聞によると、大震災への海外からの支援金は、台湾、米国に次いで韓国が3番目に多い。だが、韓国内の世論調査では今もなお50%以上が「日本は嫌い」のまま。韓流ブームもあって、韓国への親近感が50%を超える日本とは国民感情に落差があるという。..