朝日新聞の「脱原発」に対し、「亡国の経済政策」
しかし、野田首相については、「地味ではあるがポピュリズムに踊らされず、ブレない点は評価できる」と持ち上げている。
「消費税はヨーロッパ並に20%前後まで上げなければ、財政は持たないというのが私の持論」という渡辺氏は、野田首相の消費増税に対する姿勢を買っている。
2011年8月の民主党代表選直前、野田氏が文藝春秋で発表した原発再稼働へ取り組むことなどを盛り込んだ論文についても、「貴重な論文だ」とほめており、当時、その旨を伝えていたそうだ。すると、総理に就任した日に野田氏から電話がかかってきた。野田氏は、論文に書いたことは「必ず実行しますから」と話したという。そこで渡辺氏は、
「『それなら、僕はあんたを支持するよ』と伝えたものだ」
野田氏が論文で触れた「原発再稼働」については、読売新聞は「再稼働を訴え続けている」。一方、朝日新聞は「高らかに『脱原発』を謳い上げ」ているとして、「これは亡国の経済政策である」と批判している。
太陽熱などの再生可能エネルギーを徐々に増やそうという発想では、「何らかの理由でエネルギーの供給が止まれば、その瞬間、日本は滅びる」との危機感を持っているからだ。
「実現できそうもない夢物語を語る」ことが、「パンとサーカスの政治」に力を貸すことになるのではないか、と疑問を投げかけ、「私はそれを憂うのである」と結んでいる。朝日新聞の報道姿勢を念頭に置いているようだ。