読売渡辺会長が橋下市長発言に懸念 「『白紙委任』はヒトラーを想起」

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橋下氏「独裁なんてなりようがない」

「選挙では国民に大きな方向性を示して訴える。ある種の白紙委任なんですよ」

   渡辺氏は、この市長発言から「私が想起するのは、アドルフ・ヒトラーである」と述べ、第1次世界大戦敗戦後の閉塞感の中、ドイツで「忽然と登場」したヒトラーが、首相になると「全権委任法」を成立させ、「これがファシズムの元凶となった」と指摘した。

   さらに、「『白紙委任』という言葉が失言でないのだとすれば」と断った上で、「これは非常に危険な兆候だと思う」と懸念し、「この点は、はっきりと彼に説明を請うべきだろう」とした。

   ヒトラーを引き合いに橋下氏の「独裁」を心配する声は以前からある。

   例えば府知事時代の橋下氏は2011年1月4日の会見で質問を受け、「ヒトラーのときの状況と(現在とは)全く違う」として、軍事力や立法権を「僕が持っているわけではない」ことや、メディアによるチェックが当時より厳しいことなどから、「独裁なんてなりようがない」と答えていた。

   2012年3月12日夕現在、橋下市長のツイッターをみると、渡辺氏の提言記事に対する反応はみられない。

   橋下市長以外の現在の政治家では、渡辺氏は消費増税に意欲をみせる野田首相に触れている。

   自身の政治部記者時代の話として、鳩山一郎、池田勇人両元首相の勉強ぶりや「大衆に本当のことを伝えようとする」姿勢に触れつつ、「今の政治家で、傾聴すべきことを言う人はいなくなった」と嘆いた。小さな選挙区で過半数を得る必要がある「小選挙区制度によって(日本の国会議員は)完全に堕落した」とみている。

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