追悼3・11…三陸の未来に光あれ【岩手・花巻】

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鹿踊の前で震災詩を朗読する照井良平さん=花巻市のなはんプラザで
鹿踊の前で震災詩を朗読する照井良平さん=花巻市のなはんプラザで

(ゆいっこ花巻;増子義久)

   東日本大震災で犠牲になった人たちは死の瞬間、どんな言葉を口にし、どんな光景を見たのだろうか。後に残された私たちはこの国の未来の再建のため、逝(ゆ)きし人たちが死の淵に立った時に見た光景と遺した言葉を裏切ってはならない。私たちの目の前には2万人近い人たちの遺書が積まれているのである。

逝きし人たちの御霊(みたま)に平安あれ!三陸の未来に光あれ!

   死者1万5854人、行方不明者3155人、避難者34万3935人 =2012年3月11日現在


【東日本大震災1周年 追悼3・11】

―三陸の未来に光あれ(いわてゆいっこ花巻主催)の1日から…。


鎮魂-1(詩の朗読)

<ばあさんのせなか~気仙語による震災詩>

ばあさん こごさすわって なにしてんのす
なんだってかんだって こんてぁなツナミ こねぁば なんねぁのす
おら なんにも わりごと してねぁのにさぁ
いえのほがに むすめどまごまで さらっていがれでしまっだぁ
まぁだ 見っかっていねぁのっす
いまごろ こんなさむどご どごで なんじょにしているがどおもど
むぜぁくてむぜぁくて いでもたってもいられなぐなってさぁ
ほんで はまさきて こうしてんのす

ほんなんで がぁんすが ひとりでいるど いろんなごどおもってなぁす
せんだって むすめがら としょりのメガネ まごがら ツメぎりっこ
プレゼントってやつ もらってさぁ おもっしょがったなぁす
それもツナミに もっていがれでしまっだぁ

ほんだがらえんす がっかりしてしまってなぁす
それおもど はやぐはやぐ むすめどまごどごさ いぎでぁども
おりゃ いなぐなるどだれも むすめどまごが見っかったどぎ
おがんであげるひとがいなぐなるがらさぁ
ほんでぁ むすめどまごが むぜぁがらし

わがりぁんすか このむねのながっこ
ほんだがら むすめどまごだじがら見える
こごんどごの たがいどごさきて てをあわせ
はやぐけぁってこう おりゃいぎでるあいだにけぁってこうって
まいにち よんでるのす

いぎるって このとしになっても ままになんねぁもんで がぁんすなぁ
はやぐ あっだがぐなれば よがぁんすなぁ ばあさん

(作詞・朗読 花巻詩人クラブ会長、照井良平 「第26回国民文化祭」文部科学大臣賞受賞)

鎮魂-2(合唱)

昭和三陸津波の1年後に作られた「復興の歌」(津波に歌)と「慰霊の歌」を熱唱する盛岡市の合唱団「ポピー歌の会」も皆さん=花巻市のなはんプラザで

大津波/くぐりてめげぬ/雄心(こころ)もて/いざ追い進み/参(ま)い上がらまし(復興の歌)
亡き霊(たま)は/千尋(ちひろ)の海に/鎮(しず)もりて/栄え行く世の/柱たるらん(慰霊の歌)

鎮魂-3(供養の舞)

被災者の一人(舞台左端)が案山子(かかし)に扮した「案山子踊り」。演じるのは花巻市内の春日流上ノ山鹿踊の皆さん。地震が発生した午後2時46分の黙とうに先立ち、門外不出と言われる「供養の儀式」(写真撮影厳禁)が特別に披露された=花巻市のなはんプラザで


鎮魂-4(あの日から1年)

「怪獣が瓦礫(がれき)や家や船を蹴散らかすようにして津波は迫ってきた」―。経営するビジネスホテルの屋上からヘリコプターで救出された、大槌町出身の松崎豊司さんは1年前の光景を昨日の出来事のように語った=花巻市のなはんプラザで


鎮魂-5(ふるさと)

フィナーレは参加者全員による「ふるさと」の大合唱。被災者の中には瓦礫の荒野と化した故郷に思いを馳せ、涙ぐむ人も=花巻市のなはんプラザで


鎮魂-6(無事)

1年ぶりの再会でお互いの「無事」を確認。涙を流す人たち=花巻市内のホテルで開かれた懇親会場で



ゆいっこ
ゆいっこネットワークは民間有志による復興支援団体です。被災地の方を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資提供やボランティア団体のコーディネート、内陸避難者の方のフォロー、被災地でのボランティア活動、復興会議の支援など、行政を補完する役割を担っております。
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