市長当選後、品切れに
一方、都内の老舗古書店にきくと、「橋下本」を特別意識することはなく、今回の高値は「ネット特有の現象だろう」と分析した。マスコミ露出の多さから一時的に高値をつけ、数か月もすれば極端に安くなる例もある。「うちの店が仮にその本を入手しても、つける値段は200円かそこらでしょう」とも話した。
橋下本2冊の出版社である日本文芸社にきいてみた。
アマゾンでついている値段を告げると、ある担当者は「びっくりしました。取っておけば良かったですね」とおどけた。
最高9800円の「最後に思わず~」が品切れになったのは、2011年11月末にダブル選を制して橋下氏が大阪市長選に当選してほどなくだという。「府知事の頃にはまだ本はありました」。
橋下氏が市長当選後ほどなく、大阪維新の会の国政進出に向けた動きをみせたことから、関心も完全に全国区に広がったことが関係しているのかもしれない。
出版当時から「結構売れた」。重刷を重ね「5万部程度かな」。一方、「図説」の方は、重刷もなく発売後数か月で品切れになった記憶があるそうだ。やはり、高値の「図説」の方が品薄だ。2冊とも、今のところ重版予定はない。
橋下市長が率いる維新の会の国政進出について、毎日新聞が3月上旬に報じた世論調査で「期待する」が61%にも達した。橋下市長は結果について、「完全なバブルですよ。うれしい反面、怖い」と述べた。「橋下・交渉術本」の古書高値は「バブル」なのか、それともしばらく続く現象なのだろうか。