仙台市のパンダ誘致について、ジャニーズ事務所が震災復興支援で集めた募金を使わず自己資金を充てると市側に伝えていたことが分かった。批判が相次いでからのことだが、事務所では、「もともと計画がそうだった」と主張している。
スポーツ紙各紙によると、マッチこと歌手の近藤真彦さん(47)が、復興支援プロジェクト「Marching J」で集めた募金や自己資金をパンダ誘致に使うことを提案し、5年間で約50億円もの費用を全額負担することにしたと2012年1月27日に明かした。
自己資金を充てると市に説明
すると、募金は被災者に使うと言っていたのにおかしいと、ネット上で批判が高まった。また、中国進出への足がかりに利用するのでは、との疑念も出るほどの騒ぎになった。
ところが、ジャニーズ事務所は、パンダ誘致には、義援金を使わず、グループ企業4社からの寄付による自己資金だけを使うとしていることが新たに分かった。3月8日発売の週刊文春・新潮が、仙台市議会で屋代美香議員(自民党)がした一般質問への答弁などを通じてこうした内容が明らかになったと報じている。
仙台市の建設局次長によると、ジャニーズ事務所とは、2月2日に打ち合わせがあり、その中で自己資金だけで賄うと知らされた。募金については、被災した日本の子どもたちに使いたいと言っていたそうだ。
スポーツ紙によると、近藤真彦さんは当初、「募金の使い道が明確な支援活動をしたい」と語っていたとされる。ということは、批判を受けて、募金をパンダ誘致に使う考えを撤回したのだろうか。
この点について、建設局次長は、こう話した。
「撤回したのかは、確認していないので分かりません。もともとパンダ誘致に募金を使われるのかは明言がありませんでしたから、私どもは撤回したという認識はないですね。今回初めて、募金や自己資金の使い道について明確にされたのだと思います」