「野田首相は小泉氏に負けている」
首相はさらに、「(民主、自民は)互いに風景や見えているものがだいたい近付いている」と述べた。
先には、消費税増税自体には反対ではない自民党の谷垣禎一総裁と野田首相との「極秘会談」が各紙で報じられたばかりだ。消費増税の法案成立への協力の見返りに衆院を解散する話をしたのではないか、との見方も広がっている。
「極秘会談」報道を踏まえると、野田首相の国会答弁は、「意味深」だ。
しかし、小泉氏は首相の「見えている風景は近い」論には応じず、むしろ逆手に取り、
「私もいつか、与党の風景を見た時、野党の時と違うことを言ってはいけない」「与党になったら『風景が違う』というのは、やめなくてはいけない」
と、「野党だったから」を言い訳にした形の首相答弁を間接的に批判した。
小泉氏は2009年初当選で、与党を経験していない。
2人のやりとりについて、産経新聞は「小泉進次郞氏、『言い訳』首相にピシャリ」と見出しを付けて報じた。
ツイッターでは、「この方父親譲りでしゃべりが上手いね」「谷垣さんより党首っぽい」といった反応が多く並んでいた。話しぶりではなく、内容については「信念ないのは(民主、自民も)どっちも同じ」という反発の声もあった。
元毎日新聞記者で政治評論家の板垣英憲氏にきいてみると、
「答弁全体をみても、野田首相は小泉氏に負けている」
との答えだった。野田首相の「違う風景」論は、マニフェストが達成できていない言い訳に他ならず、小泉氏から「痛いところを突かれた」形だ。
「父親(純一郎元首相)の話しぶりが身についており、批判をするときもやんわりと、年長者への敬意を残しながら攻めている」
と評した。