自民党の小泉進次郎衆院議員(30)が国会で、医療費問題に関する野田佳彦首相(54)の「民主も自民もお互い様」と言わんばかりの答弁を逆手にとる形で、民主党の一貫性のなさをやんわり批判した。
インターネットのツイッターをみると、小泉氏の切り返しについて、「親爺(小泉純一郎元首相)そっくり!」「しゃべりがうまいね」といった声が上がっている。野田首相も弁舌がうまいことで知られるが、「野田首相は小泉氏に負けた」と話す政治評論家もいる。
首相「与党になって見えてくる風景もある」
小泉氏は2012年3月6日の衆院予算委員会で質問に立ち、70~74歳の医療費窓口負担の2割への引き上げがかつて決まったものの、「1割のまま凍結」状態が自公政権時代から続いていることを取り上げた。民主党政権も引き上げ実施を検討したが見送っている。
小泉氏は、「つらい」「厳しい」話をする必要があるとして、2割への引き上げを主張した。世代間の不公平感是正に強い関心があるようだ。
答弁に立った小宮山洋子・厚生労働相らは、個人的には2割引き上げに賛成だが、慎重論の前に今回の「大綱」では実現できなかったという趣旨の話をした。
これに対し小泉氏は、過去の議事録を確認したところ、野党時代の民主党は、「今と全く違う」主張をしていたと指摘した。
「1割で凍結」を決めた自公政権に対し、批判するどころか「1割を維持しろ」「(引き上げは)高齢者いじめだ」と言っており、「2割へ引き上げたい」とする先の2人の大臣答弁と「全く違う」というわけだ。
この「矛盾」について聞かれた野田首相は、「与党になって見えてくる風景もある。野党になって見えてきた風景もある」と答えた。民主党も自民党も互いに立場が変わったことで、主張がある程度変化しても仕方ない、お互いさまではないか、と言っているようにも聞こえる。