今後のカギはスポンサーの選定
悲観的な見方としては「これまで生きながらえたのは政府の盤石な支援が期待されたためで、資金繰りに余裕はない。更正法申請なら回収率はゼロに近いのではないか」(外資系証券アナリスト)との声もある。このアナリストは「再建を諦めて清算された場合、2~3割程度の回収が見込める」とまで言っている。
一方、今後のカギはスポンサーの選定、との見方も多い。エルピーダの資金繰りは苦しいが11年末の自己資本比率は28%超。資産超過でもあり、相当程度の手元資金を残したまま東京地裁に資産の保全命令を受けている。また、債権者への弁済額確保を目指す方針とも伝えられている。このため、「エルピーダの企業価値の毀損を最小化できるよう、事業の継続と財務を支えるスポンサーが適切に選定されれば、相当規模の回収率も期待される」(銀行系証券)といい、いったん中断した米マイクロン・テクノロジーとの提携交渉に注目が集まっている。
ただ、エルピーダは現経営陣が続投するという更正法としては異例の展開。これに対し金融界には反発もあり、スポンサー選びを含めた再建を 軌道に乗せることを困難視する見方も強い。