「共喰い」田中慎弥もニートのような扱いになっている
実は、西村さんと芥川賞作家の高橋三千綱さんとの対談が11年4月に「東京スポーツ」で連載され、西村さんは「はなはだ迷惑だ」などと、マスコミが勝手に作り上げた自分の偶像を批判している。日雇い労働をしているというのも20年前の話。食えないときは夜の警備員や、古書業鑑札で生計を建て、また、いろんな人から借金しまくり過ごしてきたという。また、滞納していたとされる家賃は完済したそうだ。
西村さんは既に私小説のジャンルでは有名な作家で、芥川賞の候補にあがったのは受賞作を含め過去に3回。04年には「けがれなき酒のへど」で文学界同人雑誌優秀、07年には「暗渠の宿」で野間文芸新人賞を受賞している。年収480万円では少ないくらいなのだ。
ネットでは西村さんが作家として「高額」な収入を得ていたことに驚き、
「受賞前の年収480万と言ってた。ぜんぜんフリーターの額じゃないじゃん。萎えた」
「勝手に仲間だと思ってたけど、全然仲間じゃなかったw今ではさらに手の届かない存在www」
といった意見が出ていて、「ダメな人のヒーロー」とはいえないのではないか、といった論調に変わっている。
また、今年「共喰い」で第146回芥川賞を受賞した田中慎弥さんもマスコミでは「ニート」のような扱われ方をしているが、田中さんも実績のある作家だとして
「マスコミの言う事を鵜呑みにしちゃだめだって。あいつら芥川賞をワイドショーにしたいだけなんだから」
などといった反省も書き込まれている。