橋下徹大阪市長の意向を受け、市職員の政治や労働組合に関する活動の調査をしている第3者特別チームが、職員採用の際の「口利き」に関し、市議会議員らを対象にアンケート調査を始めた。
特別チームが先に公表した中間報告の中で、職員の採用面接の履歴書の多くに、消しゴムで消した市議や市幹部の名前の跡があったことを受けた措置だ。
「一定の疑いが出たわけですから」
アンケート調査は、市議のほか、人事担当幹部を経験した職員らも対象で、市職員の採用や人事異動に関して、「口利き」をしたことがあるか、見聞きしたことはあるかなどを質問している。すでに議会各会派へはアンケートが配られている。
橋下市長は2012年3月6日、市議への調査について、「一定の疑いが出たわけですから、しっかり調査をする。それが議員さんであっても調査対象になる」と、報道陣を前に語った。さらに、
「市役所も市長も議員も、一回身ぐるみはがされた状態で、素っ裸にされるくらいの調査を受けないといけないですよ」
と市議らに調査への協力を呼びかけた。
回答期限は3月13日としている。回答は任意としているが、記名を求めている。市議からは「説明不足」、「進め方が一方的すぎる」といった不満の声が上がっている。読売新聞の6日配信記事によると、「市議からは『どんな権限で調査しようとしているのかわからない』と反発も出て」いるという。
橋下市長は6日、議会として第3者機関に調査を依頼する形も考えられるが、「(それでは)いつ始まるか分からない」と否定的な考えを示した。また、議会にとって「甘いもの(調査)」になってしまう可能性も指摘した。