セレッソ大阪「CO2ゼロ」にチャレンジ 大阪ガスとヤンマーも協力してスクラム

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   大阪の街が二酸化炭素(CO2)の削減に向けて「一丸」になる。大阪ガスはヤンマーとともに、セレッソ大阪(大阪サッカークラブ)が実施する「CO2ゼロチャレンジ」に協力する。街を挙げて、異業種がスクラムを組む「CO2削減」は全国でもめずらしい。

   プロジェクトは、大阪ガスとヤンマーが大阪市内の中小企業に高効率ガス冷暖房機器などの導入を進めることでCO2排出量を削減。セレッソ大阪が長居スタジアムなどで行うホームゲームで発生したCO2と、2社が削減したCO2とをオフセット(相殺)することでホームゲームの「CO2ゼロ」を実現する。

1試合あたり25~30トンのCO2排出量

セレッソ大阪の清武弘嗣選手(左)と播戸竜二選手(右)が「CO2ゼロ」を宣言
セレッソ大阪の清武弘嗣選手(左)と播戸竜二選手(右)が「CO2ゼロ」を宣言

   セレッソ大阪のホームゲームでは、スタジアムの照明や売店での調理、観客が自宅からスタジアムまで移動する際に利用する交通手段などで、電気やガス、ガソリンなどのエネルギーを大量に消費する。

   セレッソ大阪によると、1試合あたり約25~30トンのCO2が排出されると想定。これは直径50センチの桜(オオシマザクラ)の木3万852本が1日に吸収するCO2の量に相当、1年間に吸収するCO2の量では84.5本分(環境情報センター「EICネット」調べ)になる。

   一方、大阪ガスとヤンマーは、大阪市内の中小企業などにガスヒートポンプエアコン(GHP)による高効率ガス冷暖房機器の導入を進める。

   GHPは、室外機内のコンプレッサーの駆動をガスエンジンで行うヒートポンプ運転によって冷暖房を行うシステムで、技術開発によって従来機器よりCO2排出量を27%も削減でき、かつ電気をほとんど使わないため、節電対策にも有効とされる。

   今回のプロジェクトは、国内クレジット制度(中小企業が大手企業の協力を得てCO2を削減した際に、そのCO2削減量を国が認証し、クレジットとして売却できる制度)を活用して、中小企業がGHPを導入することにより削減するCO2排出量に見合ったクレジットを大阪ガスが買い取り、中小企業のCO2削減対策を手伝うと同時に、買い取ったクレジットを用いてセレッソ大阪のホームゲームで発生するCO2をオフセット(相殺)する仕組み。

   それにより、セレッソ大阪のホームゲームは、CO2排出量がゼロとみなされる。

   2012年3月5日に大阪市内で開かれた大阪ガスとヤンマー、セレッソ大阪の記者会見で、セレッソ大阪の岡野雅夫社長は「Jリーグが『地域との共生』『地域貢献』を掲げて取り組んできて、今年で20周年。わたしどもセレッソも、大阪市への貢献の一環として環境破壊につながる恐れのあるCO2排出量の削減に取り組むことにした。年間500トンのCO2をゼロにするため、事務所内はもちろん、選手やコーチにも徹底して削減努力をしてもらう」と、意気込みを語った。

中小企業を巻き込んで「削減」

ヤンマー製のガスヒートポンプエアコン(GHP)による高効率ガス冷暖房機器
ヤンマー製のガスヒートポンプエアコン(GHP)による高効率ガス冷暖房機器

   セレッソ大阪とヤンマーは2011年7月31日、長居スタジアムで行った鹿島アントラーズとの試合で「カーボンオフセットマッチ」を開催。排出されたCO2約30トンを、ヤンマー製GHPを導入している九州の中小企業のCO2クレジットを「ヤンマーエネルギーシステム」を通じてオフセット(相殺)した。

   セレッソ大阪はこの取り組みを深化させ、1年間を通じて実施し、これを大阪ガスとヤンマーが支援。さらに大阪の中小企業をも巻き込んで、大阪の街をあげてCO2削減の意識を高めながら、その効果を上げていこうというものだ。

   記者会見に駆けつけたセレッソ大阪の播戸竜二選手が「未来につながる取り組みをセレッソ大阪がやっていくことに、選手として誇りに思っています」と話せば、清武弘嗣選手も「(CO2削減を)いろんな場面で訴えていくことで、地元大阪に貢献したい」と力強く語った。

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