日本の独壇場だったリチウムイオン電池 ウォン安と震災で韓国に抜かれる

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市場自体は6年で2.7倍に

   ただし、パイ自体は拡大を続けている。富士経済(東京都中央区)が12年2月27日に発表した「2012電池関連市場実態総調査」によると、10年に全世界で8966億円だったリチウムイオン電池の市場規模は、16年には10年比で約2.7倍の2兆4028億に成長するとみられている。EVの普及で、特に11年から市場が拡大しているという。14年頃から海外生産が本格化し、15年には日本と海外の生産量が逆転するとみられている。

   日本勢も、パナソニックグループが中国、ソニーが中国とシンガポールで生産することを表明している。震災から生産体制を回復させるのに加えて、海外移転によるコストダウンで韓国勢を追い上げたい考えだ。

   ただし、今後両国のシェアの差が縮まるかどうかは不透明な状態だ。震災直後の11年第2四半期では8.9ポイントあった差は、第3四半期では4.6ポイントにまで縮んだ。ところが、さらに震災からの復興が進んだはずの第4四半期では、再び5.1ポイントにまで差が開いている。

   日韓以外にも、中国勢が17.2%(10年)から17.7%(11年)と0.5ポイントほどシェアを伸ばしており、今後、さらに台頭する可能性もある。

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